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zoom RSS 笑いかけてくれた天使

<<   作成日時 : 2014/09/17 22:45   >>

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 電車の中で本を読んでいた私の隣に座ったのは、小さな赤ちゃんを抱っこしたお母さんでした。元気のいい赤ちゃんは、難しそうな顔をして本を読んでいるおじさんが気になるのか、うーうーあーあーと言いながら盛んに手と足を伸ばしてくる。お母さんはすみませんすみませんと私に謝っている。私の腕にふれた小さな手は柔らかかったなぁ。私の脇腹をバンバンと蹴った足の力は強かったなぁ。
 本当は読んでいた本に感動して、もう少しで泣きそうになっていたんだ。一生懸命に涙をこらえていたんだ。でも無理やり頬を緩めて振り向いたんだ。そうしたらさ、まるで天使のような笑顔でキャッキャッって。
 前に言ったことあったでしょ。赤ちゃんには認められているんだ、おいらって。
 その時読んでいた本は次の一冊。

『花咲家の人々』村山早紀(徳間文庫)再読
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――風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。
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 新作を読む前に一作目を再読しておかなきゃ。ということで電車の中で読み始めたのですが、いやぁーまいった。読み進めていくうちに、風早の街の一員になり、千草苑の関係者になり、花咲家の親戚になり家族になり、どんどん話に入り込んでいってしまった。隣の赤ちゃんに懷かれていなかったら、電車の中でボロボロと泣いていたぞ、きっと。
 簡単に「いいお話でした」で終わる物語ではないんだぞ。「みんないい人ばかり」で済むお話ではないんだぞ。みんなみんなどこかに持っているのに気付いていない「何か」を知らせてくれる小説なんだ(ちょっと熱くなってます)。

『花咲家の休日』村山早紀(徳間文庫)読了
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――勤め先の植物園がお休みの朝、花咲家のお父さん草太郎は少年時代を思い起こしていた。自分には植物の声が聞こえる。その「秘密」を抱え「普通」の友人たちとは距離をおいてきた日々。なのにその不思議な転校生には心を開いた…。月夜に少女の姿の死神を見た次女のりら子、日本狼を探そうとする末っ子の桂、見事な琉球朝顔を咲かせる家を訪う祖父木太郎。家族それぞれの休日が永遠に心に芽吹く。
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 風早の街って、誰もが心の中で想う街なんだろうな。花咲家の人々って、君やあなたやあの人やその人や私やボクのことなんだろうな。そう思いたい。
 不思議だね、このシリーズを読んでいると、毎日何気なく見ている道端の草花や街路樹を立ち止まって見つめてしまう。いつもの風や自分の影や季節の香りに意味を探してしまう。そんな不思議な力のある小説なのです。
 まいったなぁと思ったのは、「朝顔屋敷」かなぁ。木太郎さんの寂しさと悲しさと優しさと暖かさと強さ。いろいろなこと思い出して考えて、悲しくてうれしくて泣きたくなった。

(今日のふれあい)
 赤ちゃんと握手してしまった。

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