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zoom RSS 自分への殺意

<<   作成日時 : 2014/09/14 14:17   >>

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 9月に入って突然“恩田陸”さんが読みたくなった。理由はない。8月は“宮部みゆき”さんだった。時々こういうことが私には起こる。そんでもって旧作の乱読が始まると、その作家の新作が、特に大作が出版となる。ということは今月は恩田さんの新作が出るっていうことなのかなぁ。なんの取り柄もない私の特技と小さな声で言っておこうっと。

『六番目の小夜子』恩田陸(新潮文庫)再読
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――津村沙世子−とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
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 どうしても言っておきたいのだが、わたくしこの作品、1992年7月発行の新潮文庫/ファンタジーノベル・シリーズっていうよくわからない不思議なシリーズの一冊として読みました。この文庫シリーズはよくよく調べてみたら、わずか2年で13冊の発行という短命に終わったみたい。つまりは「売れなかった」のだなぁ。紹介文で言われている「伝説」というのは、恩田さんはデビュー作ではあまり評判にならなかったっていうことなのだなぁ(多分)。そんな作品を、私はしっかりと見出していたのでした。という自慢でした。

 久し振りに読み直したのですが、なかなかに怖いお話ですねぇ。読み終えて、それなりの決着に満足しているのですが、なんかねぇ腑に落ちない。まだ解決していないのではないかという思いがだんだんと強くなってくる。前を歩く見知らぬ人が突然振り向いて「まだ終わってないよ」と言いそうな気がしてしょうがない。いやはや。デビュー作からしっかり“恩田陸”さんだったんだなぁと気付かされたのでした。

『ブラザー・サン シスター・ムーン』恩田陸(河出文庫)再読
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――ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの日のことを−。本と音楽と映画、それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが過ごした大学時代を描く、青春小説の新たなスタンダードナンバー! 本編に加え、三人の出会いを描いた単行本未収録作「糾える縄のごとく」、さらに文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を収録。
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 あれっ、こんなお話だっけ、と意外にも新鮮な気持ちで読み直すことができました(完全に内容を忘れていたってことなんだけどね)。
 恩田さんの「素」が出ている作品のような気がする。大好きな本の話、映画の話、音楽の話が何気なく物語の中で語られ、意外な謎や事件が起きているわけではないのに、怪しげで不可思議な雰囲気十分のお話になっている。こういう感じ、この作家さんの得意技でもあるんだよなぁ。さすがです。

『蛇行する川のほとり』恩田陸(中公文庫)再読
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――演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。
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 これって、初めは3カ月連続で新書の形で出版されたんだよね。それから一冊にまとまって単行本で出て、今回の中公文庫になって今は集英社文庫かぁ。如何なる事情があってこうなったのかなぁ。こういう変なところが気になるのです。

 最初に新書で出た時に読んだのですが、毎月ハラハラドキドキというか、早く次が読みたいよぉと思っていると語り手が変わって話が続くという、読者の心を完全に掴んで離さないぞっていう感じの物語でした。
 それにしても、こういう女子高生とかを書かせるとうまい作家さんだよねぇ。危うさであるとか妖しさであるとか、不安定であるとかあやふやなとでもいうのか、漠然とした美しさと不気味さの合わさったお話だったのでした。傑作。

(今後の予定)
 まだまだ続く「“恩田陸”さん集中読書月間」なのです。

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