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ペンギンブックカフェ

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ペンギンブックカフェ
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紅茶でも飲みながら、ゆっくり本でも読んでみませんか?
小さなカフェですが、物語の世界は無限です。
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零れる星を受け取る月

2015/01/03 17:20
 新年明けまして…、なにがおめでたいのかよくわからないけれど、今年こそはともう言い過ぎて誰も期待もしていないであろう言葉を続けて、みなさんよろしくお願いいたします。

 昨年読んだ本のベスト本を選ぶ資格はないなぁと言いながら、でもやっぱり何もないのも味気ない。そんでもってちょっと挑戦してみようかなと思って昨年のブログを読み返してみたのだが、なんとまぁ、再読再読ばっかりで、新刊は真面目に読んでいないのだなぁと呆れてしまったぜ。
 もう完全に「本の読み方」みたいなものが変わってしまったのだなぁと、ため息をつきながらなさけないとつぶやきながら、まぁ頑張って書いてみることにします。(◎印は特にお薦め)

☆これがやっぱり一番かなぁ。
 ◎『星を賣る店』クラフト・エヴィング商會(平凡社)
 ・展覧会に行けなかったのが一生の不覚であった。

☆これも外せないよなぁ、やっぱり。
 ◎『注文の多い注文書』小川洋子/クラフト・エヴィング商會(筑摩書房)
 ○『電氣ホテル』吉田篤弘(文藝春秋)


☆小説ではこの辺でどうだ!
 ◎『海うそ』梨木香歩(岩波書店)
 ○『翔ぶ少女』原田マハ(ポプラ社)
 ○『消えてなくなっても』椰月美智子(角川書店)
 ○『天国ゆきカレンダー』西本秋(ハヤカワ文庫)
 ○『アトミック・ボックス』池澤夏樹(毎日新聞社)
 ○『盲目的な恋と友情』辻村深月(新潮社)
 ○『その本の物語(上・下)』村山早紀(ポプラ文庫ピュアフル)
 ○『クラスメイツ(前・後期)』森絵都(偕成社)
 ○『総理大臣暗殺クラブ』白河三兎(角川書店)
 ○『未必のマクベス』早瀬耕(早川書房)
 ○『裏窓クロニクル』友桐夏(東京創元社)

 ・意外と多いですね。

☆絵本は是非これを見て!
 ◎『きょうはマラカスのひ−クネクネさんのいちにち−』樋勝朋巳/文・絵(福音館書店)
 ・年末に出た『フワフワさんはけいとやさん−フワフワさんのいちにち−』樋勝朋巳/文・絵(福音館書店)も必見です!

☆何故か気になる本っていうものがあるのです。
 ◎『逃北−つかれたときは北へ逃げます−』能町みね子(文藝春秋)
 ・今一番「会ってみたい人」なのです。

☆今年再読した中では一番だったかなぁ。
 ◎『ソロモンの偽証 第T部〜第V部』宮部みゆき(新潮社)
 ・とにかく凄かったの一言です。

 なんか迫力不足なベスト本だなぁ。読み手に問題ありっていう感じ。本の読み方やこのブログのあり方とか、考え直さなきゃいけないことが多すぎですねぇ。
追記:ことわっておきますけど、“小路幸也”さんの作品群は除外しております。新作・旧作・再読・再再読と、毎月最低一冊は読んでいるのではないかと思います。今さらですが、ファンです。

画像(今日の蛇足)
 性懲りもなく「今日の消しゴムはんこ」です。正月だというのに何故「キノコ」なの? ですが、まだまだ初心者なもので軽く流していただければと思います。
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つまらない空をボクは泳いでいた

2014/12/31 09:02
 いつの間にか今日になってしまったなぁ。こうやっていつも「いつの間にか」と言っているうちに時は止まってしまうのだろうなぁ。いやだいやだねぇ。

 本来なら「私の今年のベスト」的なことを書くべきなんだろうけど、今年はどうもなぁ、書けるかなぁ。本を読むということに関しては多分、生まれてから一番読んだ一年だったかも知れない。面白い本楽しい本ためになった本美しい本興奮した本感激した本泣いた本……、そりゃー一杯あるんだけどね、読み手の態度感情気分姿勢真面目さ真摯さ真剣さ……っていうもんがさぁ、今ひとつ問題だったんだねぇ。簡単に言うと、ベスト本を選ぶ資格を持てなかった一年っていうのかなぁ(こういうことをブツブツとつぶやきながらもサラっと書いたりするからダメなんだよなぁ)。

 今年最後のブログ更新は、読んだままになっていた本を載せることにします。こういうやり方はやっちゃいけないと散々言ってきたのに、またまたやってしまうのです。あぁあ、今年一年はこういうことの繰り返しだったなぁ。反省。

『花野に眠る−秋葉図書館の四季−』森谷明子(東京創元社)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――れんげ野原のまんなかにある秋葉図書館は、いつでものんびりのどか。新人司書の文子の仕事ぶりも、どうにか板についてきた。そんななか、図書館のお向かいの日向山から突然、白骨死体が…。誰が、どうして、こんなところに埋められていたのか? 文子は、図書館の利用者が持ち込む、ふとした謎を解決しつつ、頼もしい先輩司書たちの助けを借りて、事件の真相究明に挑むが−。本を愛してやまない人の心をくすぐる、やさしい図書館ミステリ!
  * * * * * * * * * * * * * *
 ずいぶんと久しぶりのシリーズ新作です。ほのぼのとした体裁をとった作品でありながら、取り上げられる問題はなかなかに重くて暗いのです。その「うーむ」と唸ってしまう内容を救っているのは、登場する人々のやさしさや本に対する愛情の深さなのかなぁ。このバランスがとても心地よいのです。(まだまだ続くんだよね、楽しみです。82点)

『れんげ野原のまんなかで』森谷明子(東京創元社)再読
  * * * * * * * * * * * * * *
――新人司書の文子がこの春から配属されたのは、のんびりのどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真中という立地のせいか利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし、この図書館を訪れる人々は、ささやかな謎を投げかけてゆく。季節のうつろいを感じつつ、頼もしい先輩司書の助けを借りて、それらの謎を解こうとする文子だが…。すべての本好き、図書館好きに捧げるやさしいミステリ。
  * * * * * * * * * * * * * *
 シリーズ新作を読んだら、どうしても前作も読みたくなって図書館で借りてしまいました。シリーズとはいってもやっぱり間が空きすぎだよね。
 この作品が出た当初は、世の中に「日常の謎ミステリ」が氾濫し始めた頃で、そのブームの一つとしての認識だったのですが、読み返してみると意外や意外、日常の謎よりも一歩踏み込んだミステリだったのですね、と再認識。やっぱりこのシリーズはもっと書いて欲しいなぁと思ったのでした。

『ユリイカ(11月号)−森博嗣特集−』(青土社)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』から『MORI LOG ACADEMY』まで…。クラフトマンの機知
  * * * * * * * * * * * * * *
 “森博嗣”さんの作品をこれほど詳細に論じたものは初めてではないか。という興味から読んでみたのです。いやぁーまぁ、著者の方々は真面目なのかふざけているのか楽しんでいるだけなのか、一生懸命に無駄なことを暖簾に腕押し覚悟で語ることの面白さを感じることができた一冊でした(何のこっちゃ!)。
 どれだけ真面目に真剣に「森作品」を論じようと、作家本人はもとより、ファンの方々はちっとも気にもしないし気にも留めないっていうのにねぇ。つまりはさ、「森作品」っていうのは作者の手を離れた時点ですでに完結しているのですよ。美術作品のように、もう一つの固定された作品であるのだから、何を言っても何を感じても何がどうなろうと、もうどうでもいい物なのですよ。まぁね、だからこそ読者の中で独自に成長する作品でもあるのですが。
 ちょっと褒めすぎでちょっと訳わかんない感想でした。

『ビブリア古書堂の事件手帖6−栞子さんと巡るさだめ−』三上延(メディアワークス文庫)読了
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――太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?
  * * * * * * * * * * * * * *
 まぁ、出たら買います読みます楽しみます、というシリーズです。あと1、2冊でシリーズも終了とのことですが、一足先に卒業させてもらおうかなぁという気持ちです。
 面白いんですよ。これまでにない古書店を舞台にしたお話っていうことでは特筆すべきシリーズだと考えています。主人公たちのキャラもまぁまぁ特異な設定で、一気読みさせる楽しさのある作品だと思います。
 ただまぁ、話を大きくし過ぎたかなぁという気もしないではない。大きな事件といえなくもないものなのに、あくまでも古書堂や栞子さんの周りだけで解決しようとして不自然な展開になってしまっているのでは。そんでもってあまりにも都合よく関係者が次から次と出過ぎなんだよなぁ。一作目の雰囲気と最新作の雰囲気はもう別物の感じなのである。あぁもったいないなぁ。(相変わらず言葉足らずの感想ですみません。76点)

『裏窓クロニクル』友桐夏(東京創元社)読了
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――数々の黒い噂がつきまとう、いわくつきの一族・篁。その当主の義理の娘であり、愛人の連れ子ということで蔑まれている「私」。ある日、私は篁を狙った事件の解決を依頼しに、何でも願いを叶えてくれるチカラを持つという「教会の魔女」に会いに行く。まもなく事件は解決したかに思われたが、私が魔女に頼んだのは別の願いだった…。謎めいた魔女に願いを告げた少年少女と、彼らに関わった人々が巻き込まれた30年にわたる悲劇。教会、学校、山間の豪華ホテル、それぞれを中心に起きた事件の真相とは? 連作形式で送る、著者渾身の力作。
  * * * * * * * * * * * * * *
 予想外の面白さ、と言ったら失礼だよな。
 先入観なしに読み始めたら、いつの間にか激流に巻き込まれて遭難しそうになったっていう感じの読後感というのかなぁ。あれよあれよという間に作者の術中にハマってしまい、あれっ? あれっ? という感じで読み終えた。こりゃー久しく忘れていた、本を読む醍醐味っていう奴ではありませんか。詳しく書けない悔しさはあるのですが、ミステリ好きな方は必読だと思いますよ。(今さらなんですけどね。88点)

 さぁて、まだまだ感想をアップし忘れている本はあるのですが、今年はこんなもんかなぁ。来年は真面目にブログ更新に努めたいと思っています(もう信じられないよなぁ)。
 今年一年、いろいろとありがとうございました。来年もよろしくお願いします(まだ続ける気マンマン)。
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追伸:「消しゴムはんこ」まだやってます。見てやってください。来年は売り出してやるんだかんね。
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悪い夢も忘れっちまうもんなんだな

2014/12/15 18:28
 あんまり夢は見ない方だったのですが、最近どういうわけか見るんですよ。それもどうも悪い夢みたいで、ハッとして寝汗ぐっしょりで目覚める繰り返し。どうしちゃったのかなぁ。悪いことしてないし(良いこともしてないけど)、お酒は飲んでないし、真面目に生きているのになぁ(ブログの更新は不真面目だけどさ)。
 でもでも、やっぱり根っからの楽天家なんだねぇ。目が覚めると夢の内容をまったく覚えていないんだよねぇ。これってさ、自慢してもいいことなのかな。それともあんまりにも情けないと嘆くべき事柄なのかねぇ。ため息のつき過ぎで寿命も尽きるんじゃないか。

『キャプテンサンダーボルト』阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――人生に大逆転はあるのか? 小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは−。現代を代表する人気作家ふたりが、自らの持てる着想、技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。
  * * * * * * * * * * * * * *
 「前代未聞の完全合作」の謳い文句にまんまと乗せられてしまったのかなぁ、とほんのちょっとだけブツブツとつぶやきながら読書でした。
 面白くないわけがないと思い込んで読み始め、うわぁー、昔の“伊坂幸太郎”さんの世界だぁと喜び、そういえば“阿部和重”さんの作品って読んだことないんだから、合作の面白さなんておいらなんかにわかるわけないんだと突然冷静になり、小説なんて誰がどうやって書こうがお話自体が面白ければそれでいいんだと開き直り、それでもなんかやっぱり「伊坂ワールド」で終わってるんじゃないかと、読み終えた今は呆然としているのです。

 そりゃまぁ平均点以上の面白さです。それと舞台となる蔵王は母親の生まれ故郷であり、今は姉が住んでいる土地であり、まあまあ知っている土地ということで臨場感が凄かったです。でもなぁ……。これはやっぱり“阿部和重”さんの作品を読んでから感想を書くべきなんでしょうね。
 今のところ、「興奮して読んだ割に本を閉じたら世界も閉じた」っていう感じかなぁ。(伊坂さんはこういう路線は卒業したって言ってなかったっけ。78点)

 今心配なのは「蔵王噴火近し」のうわさなのです。
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読めや歌え

2014/12/09 06:00
 そうだ、もう12月なのだ。「今年のベスト本」的な雑誌・書籍が目立ってきたな。今年は「私のベスト」を選ぶのは難しいかなぁ。読んでないし夢中になってないし不真面目だったし。目の前に未読本が積んであるんだけど、どうも読もうという強いものが出てこない。いかんなぁ。「今年の消しゴムはんこ」っていうネタで誤魔化すしかないか。

『冥の水底』朱川湊人(講談社)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが…。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。
  * * * * * * * * * * * * * *
 突然“森田童子”のCDを聴き始め、唐突に“柳田國男” の『遠野物語』を読み始め、どっかなんかおいら変になってると思っていたら、今回の作品の中にこの二つが出てきてあらビックリ。全くの偶然とはいえ嬉しいやら恐ろしいやら、こんなこともあるんですねぇ。

 この作品、どうも作者が途中で飽きちゃったんじゃないかと思えるほど、導入部はドキドキワクワクとしたのに、半分くらいが過ぎると、呆気らかんと話が流れていくんだよねぇ。伝奇・ホラー小説というよりは「昭和」っていう時代を書きたかったんだねぇ、この作家さん。まぁこの作家の他の作品もそういうところが強く見られるんだけど、実際に起きた事件や事故を絡めてフィクションにしてしまう手法は、物語に奥行きを与えはするけれど、限界もあると思うんだけど。うーむ、期待していたけど残念だったかな。(言葉足らずの感想ですまん。74点)

 「消しゴムはんこ」はちょっと休憩。才能の無さにやっと気がつく。
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屋上の千葉君

2014/12/06 10:15
 高校の時のクラスメイトの千葉君。隣の県から越境入学してきた彼はいつも一人だった。話し掛ければ応えてくれた。でも話し掛けてはくれなかった。遊び時間にはいつも姿が見えなかった。帰宅する時にはいつの間にか消えていた。
 或る時、寒い時だったっけ、学校の屋上で空を見ていた。独りだった、悲しかった、寂しかった、苦しかった、嫌だった。そして学校の屋上で手すり越しに下を見た。もういいやって思った時、ボクの手首を掴んでくれたのは千葉君だった。

『明治少年懐古』川上澄生(ウェッジ文庫)読了
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――中学教師として自ら“へっぽこ先生”と称し、詩情あふれる版画で多くの人を魅了した永遠の詩人画家・川上澄生。川上澄生の描く世界は、わたしたちの心の奥深く睡るノスタルジーをかきたててやまない。名作『明治少年懐古』が、いま甦る。
  * * * * * * * * * * * * * *
 いい本ですよねぇ。思わず書影を載せてしまいましたよ。
画像 突然「消しゴムはんこ」に目覚めたからの“川上澄生”さんっていうわけではないのですが、ずっと気になっていたのがここに来て具体的な好奇心になったっていうことなのかな(何を言いたいんだ私は)。
 掲載されている版画の素朴な感じはもちろん素晴らしいのだけれど、文章がまた最高なのです。飾りのない訥々と語られるようなリズム感がいいんですよ。これは私が理想とする文体だなぁ(あくまでも理想ですから)。こういうのを一家に一冊本というのだろうな。(図書館本なのですが買います。88点)
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 「消しゴムはんこ」の新作。イラストはうちの奥さんが担当。どうもイラストがうまいっていうだけのような気がしてきた。
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初めての幻

2014/12/03 18:10
 これほど長く生きてきたというのに、何者でもなかったなと今さらながら己の存在の薄さに気がつかされた日々。まぁね、生きてきただけでも凄いかな。そう考えると何も書くことがないないと言いながら10年近くもこのブログを続けてきたのにも意味はあるのかな。うーむ、まだまだだな、おいらって(意味不明な弱気)。

『岩佐なを銅版画蔵書票集−エクスリブリスの詩情 1981-2005−』岩佐なを(美術出版社)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――本に貼付することで、所有者を明らかにする蔵書票。そんな「紙の宝石」ともいわれる蔵書票を、四半世紀にわたって詩情豊かな銅版画で創作し続けてきた作者が自選した作品93点。オールカラー。
  * * * * * * * * * * * * * *
 何も私が「消しゴムはんこ」を始めたからって読んだ本ではないのです。別に将来「蔵書票」を作れるようになりたいからって選んだ本でもないのです。
 ずっとずっと前から銅版画に興味があって、ずっとずっと前から蔵書票にも興味があって、版画も好きだし絵も好きだし、そしてそして、あぁこんなの作ってみたいなぁと思ったのでした。(時間も忘れる至福の時。85点)

『遠野物語拾遺retold』京極夏彦・柳田國男(KADOKAWA)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――天女は舞い、天狗は駆け、狐狸が跋扈し、人の想いも空を翔ける−。「遠野物語」出版後に柳田國男のもとに届けられた299の物語を、京極夏彦が深く読み解き語り直す。
  * * * * * * * * * * * * * *
 『遠野物語remix』に続いての『遠野物語』体験。
 それにしても、興味の尽きない物語の世界である。一日にひとつずつ寝る前に読むと、夢の世界も変わってくるような感じがする。ちょっと怖い気もするけど。
 まだまだ深いぞ『遠野物語』は。(もうちょっと深入りしてみようかな。81点)

『チチンプイプイ』宮部みゆき・室井滋(文春文庫)読了
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――異色な女二人の話はつきない…。超売れっ子の二人が仕事、趣味等について語り、交友を深めていく。ムロイのミステリー初挑戦他内容盛り沢山大爆笑エピソード満載!
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 完全に「ヒマ潰しに図書館に行ってその辺の文庫を考えもなしにつまんで来ました」っていう感じの本ではあるのだが(かなり失礼な言い方ですね、すみません)、なんとこれが異常に面白かったのです。食わず嫌い人間、先入観だけの人間、思っているほどたいしたことない人間である私にとって、本当に必要な本はこういう本なのではないかと覚醒させてくれました。これからはこういう本と共に歩んでいきたい。(本音だかんね。80点)
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 「消しゴムはんこ」の新作。イラストはうちの奥さんです。もういいですか、そうですよね。
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今日の木漏れ日は

2014/12/02 22:34
 このところ“森田童子”のCDを聴いています(知らないだろうなぁ)。若かりし頃に夢中になった音楽を聴いていると、いろんなことを思い出したり、いろんな余計なことをやらかしたりするものです。

今日の木漏れ日は/標本箱のガラスを通り/はずれた虫ピンに光を当て/ささやかな抵抗を試みる
風のない棺の中は/いつもいつもと囁きが聞こえ/木漏れ日を浴びた暖かさに/ひらひらと屍の蝶が舞う(早川久邇)


『電氣ホテル』吉田篤弘(文藝春秋)読了
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――二人の詩人の冒険に立ちはだかる謎につぐ謎、奇人また奇人! 停電調査の旅に出た詩人・オルドバと猿のチューヤー。この世の二階から魔都・東京の夜景を見おろす詩人・シャバダ。忽如として行方不明になった十数名の「児島」と、その謎を追う探偵・中田と相棒の探偵犬・終列車。物語の行方は、この世の二階にあるといわれる、幻の〈電氣ホテル〉へ−。奇怪にして愉快な活劇小説!(今頃になって感想を書いているなんて、ファンとは言えないよなぁ)
  * * * * * * * * * * * * * *
 どうも私は、「漂流」「漂う」「彷徨う」「流れる」「浮遊」っていうような言葉が好きなようだ。つまりは私自身の根幹っていうもんが希薄なのではないかと思うのだが、如何なものか(私は何を言っているのだ)。

 大ファンの“吉田篤弘”さんの新作である。こりゃーまた、いつもの物語自体のヘンテコさに加えて、文体までもがヘンテコなことをやり始めてしまったのですねぇ。でもこれがいい。アンバランスなリズム(?)がお話に妙に合っているのです。続きがあるそうで、どこまで広がるのか非常に楽しみなのでした。(変な感想だな。88点)
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 いつまで続く「消しゴムはんこ」の無理やり強制披露(今回のイラストはうちの奥さんでした)。
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誰が走り出したって?

2014/12/01 17:25
 なんてこった、という感じ。P・D・ジェイムズが亡くなって、早川書房の三誌(「ミステリマガジン」、「SFマガジン」、「悲劇喜劇」)が来年から隔月刊になるという知らせ。かなりショックです。ふっとよそ見をしていたら大事なものが消え失せていたみたい。
 “P・D・ジェイムズ”さんは、一番海外翻訳物に熱中していて「早川ポケットミステリ」に夢中になっていた頃の作家さんでした。そうだな、もう一度読み直してもいい頃合いかもしれないな。
 早川書房の三誌については、まぁ近頃の出版事情からもしょうがないかなぁと思わないでもないのですが、いろいろと言いたいことはある。早川書房に限らず出版業に携わる方々、あなた達は何か勘違いをしていると思うのですよ。本や雑誌が読まれなくなったのは読者のせいではなく、あなた達のせいなのだよ。そこんところを見誤っているのですよ。詳細は後日(まっ、誰も気にしちゃいないんだろうけどさ)。
 おいらはそんなこんながあっても本を読む。読んじゃうんだかんね。

『ほんとうの花を見せにきた』桜庭一樹(文藝春秋)読了
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――少年「梗」を死の淵から救ったのは、竹から生まれた吸血鬼バンブーだった。心優しきバンブーと、彼に憧れる梗との楽しくも奇妙な共同生活が始まる。だが、バンブーにとって、人間との交流は何よりの大罪であった。(こんな紹介文を書いてんじゃないよ、プン!)
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 「ちいさな焦げた顔」「ほんとうの花を見せにきた」「あなたが未来の国に行く」。掲載されている三篇のタイトルを並べてみると、お話の中から自然と浮かんできた題名なのではないかと思えてくる。「吸血鬼」であるとか「異界」であるとか、なんかオドロオドロしい内容を連想する内容紹介ではあるのだけれど、読んでみるともっとシンプルな純粋な物語であることに気がつく。余分なものを剥ぎ取っていって最後に残ったものは小さいけれども綺麗な美しい、だけど人にとって大事なものだった。そんな感じの読後感でした。(中途半端な感想だなぁ。83点)
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 昨日と今日の「消しゴムはんこ」は、『アランジアロンゾ』の「メカパンダ」と「カッパ」のイラストをお借りしました。
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壁掛けの一生

2014/11/30 09:19
 このブログに書くような出来事が本当に何も無くて、本屋に行って図書館に行って本を読んでときどき消しゴムはんこを彫る、それくらいなんだよなぁ(それを書けばいいのか)。
 もう11月も終わり、明日から師走ですよ。あっ! 今一瞬、目の前のカレンダーが自分の一生とリンクした。恐ろしや。

『薔薇窓の闇(上・下)』帚木蓬生(集英社文庫)読了
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――1900年、万国博覧会で賑わうパリ。精神科医のラゼーグは警察に保護された少女を診察する。日本人らしき彼女は音奴と名乗るほかは多くを語ろうとしない。一方でラゼーグの元に、万国博を訪れた外国人女性の連続失踪事件の知らせが届く。事件解決に協力するよう要請されるラゼーグだったが、行く先々で謎の馬車に見張られていることに気付き―。異国の地を舞台とした傑作長編サスペンス。
  * * * * * * * * * * * * * *
 好きな作家さんでデビューの時から楽しませてもらっているのですが、どういうところが好きなのか、どういうジャンルの作家さんなのか、今ひとつハッキリとしない作家さんでもあります。文章はうまいし物語の舞台設定がうまい作家さんだよねぇ。逆にその守備範囲の広さが損している感じなのかなぁ。
 いゃぁー、面白かったです。かなり長いお話なのですが、グイグイと読ませるところはさすがです。パリ万博の話や精神病の話などがやたらと挿入されて、これは単なるウンチク話の羅列かなと思っていると、次々と本筋につながってくるという妙味。うまいなぁ。(デビュー時に名前をすぐに読めたのが今でも自慢なのです。80点)

『スキュラ&カリュブディス−死の口吻−』相沢沙呼(新潮文庫)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた−。性と死、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。
  * * * * * * * * * * * * * *
 何故か読んでしまう作家さん。おじさんは普通読まないだろう、この手の本は。わかってはいるんですがね。面白いんですよ。
 フィクションの世界はなんでもありの世界ではあるのですが、なんでもいいっていうことではないと思うのですよ。途中からちょっとやりすぎたかなぁ。どんどん話が膨れ上がって空中崩壊した感じ。続編を考えたのかなぁ。(かなり失礼な感想でした。77点)

『ファンタズマゴーリア』岡崎祥久(講談社)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――ミラーワールドの少年マルテは地上世界に降り立ち、リヱカという少女に出会う。リヱカは友情の印にとんぼ玉をわたし…。とんぼ玉に導かれて3つの世界を巡る少年マルテの、めくるめく冒険譚。
  * * * * * * * * * * * * * *
 うーむ、わからん。いきなり異世界に放り出されて途方にくれているおじさん状態だった。
 おもしろくて凄いなと思ったのは、異世界にいるうちに「これもありかな」と思わせるこの作家の技というか力というかうまさというか、そういった作家の物語観かなぁ。他の作品も読んでみようかなぁ。(多分理解はしていないのだろう。78点)

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 このブログをさぼっていた期間に読んでいた本は、これでまぁ大体書き残すことが出来たかな。明日からは通常営業(出来るのか?)に戻りたいと考えております。ご精読ありがとうございました。
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開いた口も三度まで

2014/11/29 15:28
 「消しゴムはんこ」の新作。画像
 みなさん、いろいろと言いたいことはおありでしょうが、ここはひとつ、年寄りがようやく見つけた道楽と思い、苦笑しつつお見逃しくださいませ。
 イラストはうちの奥さんが担当いたしました。
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不意打ちの影

2014/11/29 07:50
 最近の友人と言えるのは日なたかなぁ。あのね、天気のいい日に暖かな陽を浴びながら歩いていて気がついたんだ。私の存在自体が影を作っているんだって。つまりね、ときどき気まぐれに顔を出す日だまりが、生意気にも「独りはそれでも一つの友を持ち」って労わってくれてるのかなぁって。
 もう殆ど何を言ってるんだかなぁっていう状態です。最近の不安定な精神状態はゆらゆら揺れる影のよう、なぁーんてね(無理やり落ちを付けようとするところはなんとも言えない)。

 本日は先月から今月にかけて読みまくった再読本リストです。雑な更新で申し訳ない。

『空を見上げる古い歌を口ずさむ』小路幸也(講談社文庫)再読
『高く遠く空へ歌ううた』小路幸也(講談社文庫)再読

  * * * * * * * * * * * * * *
 なにはなくとも“小路幸也”さんです。今だからこそ、この傑作を読み直さなくては。

『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘(筑摩書房)再読
『つむじ風食堂と僕』吉田篤弘(ちくまプリマー新書)再読
『百鼠』吉田篤弘(筑摩書房)再読
『78』吉田篤弘(小学館)再読

  * * * * * * * * * * * * * *
 「物語の世界」っていうものを再確認。埋没してしまう自分がいるのです。

『きのうの世界(上・下)』恩田陸(講談社文庫)再読
  * * * * * * * * * * * * * *
 まだまだ続く「恩田ワールド」。どこに行こうとしているのだろう、この作家は。

『魔術はささやく』宮部みゆき(新潮文庫)再読
『龍は眠る』宮部みゆき(新潮文庫)再読

  * * * * * * * * * * * * * *
 まだまだ続く「宮部ワールド」。初めからうまかったのだ、この作家は。

『古書店アゼリアの死体』若竹七海(光文社文庫)再読
『心のなかの冷たい何か』若竹七海(創元推理文庫)再読
『死んでも治らない』若竹七海(光文社文庫)再読
『ヴィラ・マグノリアの殺人』若竹七海(光文社文庫)再読
『依頼人は死んだ』若竹七海(文春文庫)再読
『火天風神』若竹七海(光文社文庫)再読
『スクランブル』若竹七海(集英社文庫)再読
『八月の降霊会』若竹七海(角川文庫)再読

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 新刊の『さよならの手口』を読んだら、無性に過去の作品を読みたくなり、何かに憑かれたように読み倒してしまった。面白い。「コージーミステリ作家」的なくくり方をされているけれど、ハードボイルドあり本格ありホラーありパニックありと、一筋縄ではいかない作家さんなんだと再確認。まだまだ読むぞ。

 とりあえず明日は来るからな。
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落とした三毛猫

2014/11/28 15:48
 昨日は誕生日だったんだ(静かに独り言)。

 「今日は寒いねぇ」「今日はちょっと暖かい」。一日ごとにあっちこっちと入り乱れる「今日の天気」のお話。秋なのか晩秋なのか初冬なのか真冬なのか、今頃の本当の通常の平均温度ってものは何度なのかなぁ。
 「若く見えるよね」「年相応の身体の動きかなぁ」「そんな古臭い言葉を使って年寄りみたい」。いったい私はいくつになったのやら。褒められているのか頼りないと言われているのかバカにされているのか、なんだかなぁ。

『あしたのジョー、の時代』練馬区立美術館編(求龍堂)読了
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――「あしたのジョー」が『週刊少年マガジン』に連載された1967年暮れから1973年までの約5年半に焦点をあて、ジョーとその時代について紹介する。2014年7〜9月開催の「あしたのジョー、の時代展」の公式図録。
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 『巨人の星』より『あしたのジョー』で育ったおいらです。「あしたのために」とつぶやきながら生きてきたんだぞ。
 展覧会の図録という体裁のためか、今ひとつ突っ込みが足りない感はあるものの、ファンにとってはたまらない一冊だと思います。(左ジャブの89点)

『縁もたけなわ−ぼくが編集者人生で出会った愉快な人たち−』松田哲夫(小学館)読了
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――絵本作家・安野光雅、哲学者・鶴見俊輔、作家・西加奈子…。松田哲夫が、その編集者人生の中で出会った人々について綴る。
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 著者の“松田哲夫”さんに筑摩書房内で会ったことがあるんだ、というそれだけのことでファンなのです。
 もう少し一人ひとりのエピソードをじっくりと描いて欲しかったとは思うものの、本に関わっている人っていうのは変わった人が多いんだねぇと再認識させられたのでした。(こういうのまだまだ読んでみたいぞ。83点)

『グレン・グールド−未来のピアニスト−』青柳いづみこ(ちくま文庫)再読
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――20世紀をかけぬけたピアニスト、グレン・グールド。彼の遺したさまざまな謎をピアニストならではの視点でたどり、ライヴ演奏の未知の美しさをも手がかりに、つねに新鮮なその魅惑と可能性を浮き彫りにする。
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 単行本でも読んだと思うのですが、唐突にグレン・グールド熱が出てきまして、CDを聴いたり関連本を読んだりしています。
 “青柳いづみこ”さんはやっぱり文章がうまい。そしてピアニストからの目線でピアニストを語るという難しさ(多分)を、私みたいな何もわからない素人にも、なんとなくわかるくらいには読ませる技はすごい。(何を言いたいのだ私は。85点)

『鈴木成一デザイン室』鈴木成一(イースト・プレス)読了
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――人気ブックデザイナー・鈴木成一が、初期に手掛けたものから最近のものまで約150冊をランダムに振り返りながら、制作の舞台裏やデザインについて思うことなどを綴る。
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 この著者の装丁本は結構読んでますねぇ。なんとなく手に取ってしまうデザインっていうのは、もしかして凄いことなのかも。もう少しデザインをする上での裏話があってもよかったかなぁ。でもやっぱり作品そのもので多くのことを語っているっていうことなのかな。(一家に一冊本ではあるな。82点)

 本日はノンフィクション本でまとめてみました(一冊は違うか)。明日も頑張る。
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誰が喜ぶというのだろう

2014/11/28 07:30
 「消しゴムはんこ」の新作。
画像 いろいろ考えたのですが、何をどうして何をしたいのだろう?
 悩むな。考えるな。楽しければいいではないか。
 そんな風に呟きながら無心で彫ってます。
 (イラストは娘が担当しています。)
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冬のおしゃべり

2014/11/19 19:22
 家族に「毎日こまめに更新しないと、厭きられるよ」と言われ、「父さんならもっと面白く書けるはず」と励まされ、「よくもまぁ、こんなに本を読めるもんだ」と飽きられながら、今さらだけど(同じことを何度も言ってるけど)、この「ペンギンブックカフェ」を頑張るんだもんねぇ。
 でもさ、読みながらも感想を書いていなかった本のタイトルだけでもここらでまとめて記しておかないと、なんかこの先大変なことになりそうなので、「まとめて更新するのだけは止めた方がいいよ」と言われたばっかりだというのに、すみません、やっちゃいます。

『ふたつのしるし』宮下奈都(幻冬舎)読了
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――「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」そう思いながらも、目立たぬよう眠鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遙名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと−。「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遙名は、“あの日”ひとりの青年と出会い…。息をひそめるように過ごす“優等生”遙名と周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。
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 なんかしっくりとこない読後感なんだよねぇ。ラストに至るまでの流れみたいなものが重すぎるのかなぁ。そこに感情がどっぷりと持っていかれてしまって、感動が残っていなかったっていう感じ。うーん、わかるかなぁ。(わからないよね。77点)

『今だけのあの子』芦沢央(東京創元社)読了
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――何時だって何歳だって女の友情はめんどくさくって、あやうくって、美しい−。様々な年代、立場の女性の友情に隠された想いを情感あふれる筆致で描き切る連作ミステリ。
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 こういうのもミステリって言うのかなと思わないでもないが、なんて言うのかなぁ、「面白い」けど多分「理解」はしていないかも知れない。私が男だからとは言いたくないけど、そうなのかな。あやふやな言い方ですみません。でもこの作家さん、うまい人だと思います。(私の修行が足りないのだな。78点)

『ストーミー・ガール−サキソフォンに棲む狐2−』田中啓文(光文社)読了
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――父の死の謎と母娘に迫る黒い影が潜む街・新宿で、音楽と運命の嵐が吹き荒れる。さらに典子の音楽の道に立ちはだかる母との対決…。ミステリーの楽しみと音楽の喜びが合体した長編小説、完結編。
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 一年前に一作目を読み、ようやく完結編ですか。もう前作の内容を忘れているんだよねぇ。なんかね、とてつもない大きな謎を含む大作なのか、音楽に打ち込む少女の成長物語なのか、どっちつかずのお話で、なんでもかんでもテンコ盛り状態でありながら、そのどれもが今一つだったような感じ(大変失礼なことを言ってますね、すみません)。純粋に音楽の話に限定した方がよかったのでは…。(余計なお世話ですね。74点)

『あと少し、もう少し』瀬尾まいこ(新潮社)読了
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――あの手に襷をつないで、力を振りしぼって、ゴールまであと少し。寄せ集めメンバーと頼りない先生の元で、最後の駅伝にのぞむ中学生たちの夏を描く青春小説。
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 久しぶりの作家さん。と言っても二年前の作品ですが。もうね、これからはこういう感じの小説を読んでいきたい。こういう風に純粋に生きていきたい。そう思ってもいいですよね。(これが感想か。78点)

『夢の燈影』小松エメル(講談社)読了
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――日本の夜明け前−幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。その人斬りに、志はあったのか。有名幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった無名隊士の人生もまた、あった。新しい世代の書き手による、近藤でも土方でも沖田でもない、新選組の物語。
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 この作家さんがこういう物を書くとは。よくある手法の物語ではあるものの、いつもの破天荒さはなくなり、じっくりと読ませるお話はなかなか面白かったです。ただ、この作家さんが書く意味みたいなものが薄れたかなぁ。(生意気ですね。78点)

『東雲の途』あさのあつこ(光文社文庫)読了
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――ニヒルな同心・木暮信次郎、深い闇を抱える商人・遠野屋清之介。屍体に隠されていたのは美しい瑠璃石。江戸で起きた無残な事件が、清之介をかつて捨てた故郷へと誘い…。壮大なスケールで生と死を描く「弥勒」シリーズ第4弾。
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 やっと4巻目を読んでいるという情けなさ。もう5巻目が出ているんだよね。最近のこの作家さんのシリーズは追いかけるのが大変なのです。でもやっぱり面白いんだなぁ、このシリーズ。(詳しくは追いついてから書きます。79点)

『ころころろ−しゃばけシリーズ8−』畠中恵(新潮文庫)読了
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――若だんなの目から光が奪われたって? 早くみんなで取り戻さないと! でも、一体誰が盗んだの? 頼れるようでどこかズレてる妖たちが、力を合わせてお江戸の町を大捜索!
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『ひなこまち−しゃばけシリーズ11−』畠中恵(新潮文庫)読了
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――身体は弱いが知恵に溢れる若だんなの、お悩み相談室!? ズレてはいるけど頼りになる妖たちもほんとはみんな困っていて…。
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 いつの間にか離れていった『しゃばけ』シリーズなのですが、図書館に行ったらまとめて置いてあって、適当にパラパラと…(ごめんなさい)。
 しかしよく続いてますねぇ。もうなんか「サザエさん」状態みたい(褒めてます)。これからせっせと読むことにします。(点数はいいかな)

 明日も続くのか。
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何やってるんだか

2014/11/18 16:01
 消しゴムはんこ新作。このところ生きがいはこれくらいです。
画像
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人が嫌いという簡単

2014/11/18 07:50
 今さら言うのもなんだかなぁとは思うのですが、もともと私は物ぐさなのです。何事も面倒臭いと思い込み、その面倒臭いことが大っきらいときている。そんでもってここからが人間っていうやつの複雑怪奇なところで、物ぐさと言いながら、縦のものを横にもしないだらしない奴かというと、誰も知らないうちに(自分でも意識しないで)横にはしているみたいなんだなぁ。そしてまた縦に戻しているみたいなんだなぁ。結果として前と変わらず「お前は何やってんの?」っていうことになっているみたい。

 だらだらと訳わかんないことを書いていますが、長期間ブログを休んでいた言い訳ではありません。決して。

『金魚鉢の夏』樋口有介(新潮社)読了
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――社会福祉の大胆な切り捨てで経済大国に返り咲いた近未来の日本。警察の経費削減で捜査を委託された元刑事の幸祐は、夏休み中の孫娘・愛芽と共に、老婆の死亡事件が起こった山奥の福祉施設を訪れる。単なる事故死で片づけるはずが、クセのある施設の人々と接するうちに幸祐の刑事根性が疼きだして…。ノスタルジックな夏休みの情景に棄てられた人々の哀しみが滲む傑作ミステリ。
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 久しぶりの作家さんです。
 読んでいる間中、どうして近未来の世界にしたのかなぁと不思議でしょうがなかったのですが、多分この作家さん、単純な「ミステリ」を書きたかったわけではなく、もっと大きな世界観を持って物語を創りたかったのだなぁと気がつき納得。納得はしたのだが、どうもお話の要みたいなものがボンヤリとしてしまって、久しぶりに読んだ作家さんなのですが、ちょっとガッカリしてしまったのでした。(感想になってませんが、76点)

『光の王国−秀衡と西行−』梓澤要(文藝春秋)読了
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――内大臣頼長の密命を受け、遥か奥州平泉に向かった西行は、かの地で若き藤原秀衡と出会う。末法の世に奇跡の王国を見た西行の胸に去来した想いとは…。藤原秀衡と西行の交友を描く。
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 私の生まれて育ったところは、奥州平泉に車で一時間弱の東北のド田舎で、高校生の時には授業をさぼってよく遊びに行っておりました(友人の無免許運転の車で行っていたというのは時効)。
 というわけで、舞台が「平泉」というだけで読みたくなってしまうのです。でもそれだけじゃなく、この小説は面白かったぁ。図書館で「平泉」「金色堂」等々の仏像画集を見たり、「西行」のことをちょっとだけ調べてみたのでした。(なんちゅう感想だ。80点)

『旧校舎は茜色の迷宮』明利英司(講談社ノベルス)読了
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――一年前の秋、秋美の通う高校では、人気教師が旧校舎内で殺害される事件が起きた。そして、翌年には秋美の慕う男性教師が同じ旧校舎から飛び降りて死亡する。秋美は、空手部の新司、生徒会長の吾郎とともに、真相に迫るが…。
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 なんで読んだんだろう。作家がどうの作品がどうの表紙がどうのっていうのではなく、「講談社ノベルス」のファンだからとしか思えない。思わず手にとり何気なく読みあっという間に内容を忘れてしまった。最後まで読んだのだから面白かったのだろう。(本当にごめんなさい。72点)

『ナウ・ローディング』詠坂雄二(光文社)読了
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――何も変わっていない。そのことが地獄だった…。ブームは去り、ビデオゲームの浸透と拡散は極まった。果てなき倦怠と、かすかな変化の兆し。モラトリアムが明けた後の、静かな決意に満ちた小説。
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 この作家さんの作品は何作か読んでいると思うのですが、ハッキリ言って好きではない。興味の対象であるとか世界観であるとか、そういったものが私とは全く違う方向に行っている方なのである。でも読む。嫌悪感さえ覚えるのに読む。もしかして自分でも知らない隠れたところに共鳴しているのかなぁと恐れながら。(すみません。74点)

 明日はどっちだ!
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遮二無二夢想

2014/11/17 18:15
 歳を取って昨日の記憶も危ういというのに、日記の代わりのつもりのブログも休みがち。読み終えた本の名前を忘れちまったっていうのはまだいい方で、もしかして今生きている自分という存在も見失っているんじゃないかと心配になってくる。毎日ほっぺたをつねっている私がいる。

『家族シアター』辻村深月(講談社)読了
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――お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だって−。ぶつかり合うのは、近いから。ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。(やっと読めたっていう感じ)
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 「デビュー10周年3社新刊リレーフェア」っていうやつの『盲目的な恋と友情』(新潮社)、『ハケンアニメ!』(マガジンハウス)に続く三作目。うわぁー、まだ二作目を読んでいないんだよなぁ。私としたことが何をしてるんだか。

 正直、意表をついた作品だったかなぁ。この違和感は多分、作家自身の成長速度と読者である私の成長速度の違いが生んだ感情のズレなんだろうな。つまりは、作家が望むものと読者が期待するものがどんどん遠ざかっていくっていう、ある意味当たり前の現象が生んだしょうがないことなんだよ、きっと。
 誤解を生むと困るので「メチャクチャ面白かった」とは言っておきます。ただ“辻村深月”でなくても書けた作品だったのではと、ちょっとだけ思ったのです。いらぬ心配ではあるのですがね。(これはこれで79点)

『伽藍堂の殺人−Banach Tarski Paradox−』周木律(講談社ノベルス)読了
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――警察庁キャリアの宮司司は、大学院生の妹・百合子とともに宗教施設として使われた、二つの館が佇む島−伽藍島を訪れる。島には、数学史上最大の難問・リーマン予想の解法を求め、超越者・善知鳥神や、放浪の数学者・十和田只人も招待されていた。不吉な予感を覚える司をあざ笑うかのように、講演会直後、招かれた数学者たちが姿を消し、死体となって発見される。だが、その死体は、瞬間移動したとしか思われず…? 張り巡らされた謎が一点に収束を始める、シリーズの極点!(あーあ、読んじまったぜ)
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 このシリーズの面白さがやっぱりわからない。ではなぜ読んでしまうのか? それもさっぱりわからない。
 だいたいがだね、今回の「放浪の数学者・十和田只人」ってさ、もしかして別人?(まさかシリーズの根幹を揺るがす謎ではないよね) あまりにも無能の人として描かれていない? それだけじゃなくて、このシリーズ、作品ごとにバラバラの印象を受けるのはなぜ?(これもシリーズの布石じゃないよね)
 ……というような妄想を抱かせる作品群でもあるところが、次も読まなきゃと思わせるのである。新手のセールス手法だと思われる。(チャンチャン。70点)

 明日は頑張る。
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なぜ誰もが悲しむのだろう

2014/11/14 22:20
 昔楽しんで読んだ本が原作となってテレビドラマになるのって、なんか変な感じ。昨年の今ごろは“小路幸也”さんの『東京バンドワゴン』が放映されて、一人で異常に盛り上がっていたんだけど、この頃はどうにもこうにも夢中になれないのだなぁ。あれもこれも、なんだかなぁなのだ。製作者は本当に原作を読んでいるのかね。読んでいても理解しているのかね。原作に対する愛ってやつが感じられないのだよ。
 あぁあ、『東京バンドワゴン』の続編よ、是非お願い。

『消えてなくなっても』椰月美智子(角川書店)読了
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――あおのは、ストレス性の病を抱え、神話伝説の残る山にあるキシダ治療院で暮らすことに。そこにはつきのという同年代の同じように両親を幼いころに亡くした女の子が居候していた。二人を結びつけた運命とは。(泣いた…)
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 ブログを休んでいた間で一番感動した作品と言ってもいいかなと思う。
 表紙の柔らかさに騙されてはいけませんよ。どうにも掴みどころのない導入部と摩訶不思議な話の展開に、このお話は一体どういうつもりで書かれていて、この先どういう結末を迎えるのかと、多少の不安を感じ始めた途端の怒涛のような動きと衝撃的な結末。いやぁー、本当に参りました。こちらの無防備な心にドッカーンときてしまったではありませんか。こういうお話を書く作家さんだったっけ。とにかく「うまい」作家さんですよ。(泣いちゃったし、84点)

 明日はあるかなぁ。
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なんだ、これ?

2014/11/14 07:11
 唐突な話ではありますが(最近、このフレーズが多いな)、消しゴムはんこに挑戦中。画像
 イラストを描いてくれたのはうちの奥さんと娘。ヘナチョコに見えるのは私の技量が至らないためであります。
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非力が空を持つ

2014/11/13 18:53
 旧作の再読ばっかりっていうのも悪くはないのだけれど、やっぱりさぁ、新作・書き下ろしっていうやつも読みたいもんなんですよ。例えていうと、通い慣れた帰宅路を今日は変えてみようかなとか、ダラダラと無意識に息をして生きているのをちょっとだけ止めてみようかなとか、まぁそんな感じ(相変わらず例えがヘタですが)。
 ただねぇ、以前にも嘆いたことがあるのですが、ここんとこ書店に並んでいる新刊は、やれ企業物だったり警察物だったりいじめ問題だったり、なんかねぇ、似たようなものばっかりなんだよねぇ。昔の「社会派推理小説」っていうやつが世間を賑わせていた時の雰囲気がプンプンと匂っていて、「物語」ってそんなもんばっかりじゃないだろっていう気がして憤慨しているのですよ(この辺の不平・不満はいつの日かもっと詳しく書いてみたい)。

『さよならの手口』若竹七海(文春文庫)読了
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――探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していた−。有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書下ろしで帰ってきた!(わっ、久しぶり)
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 あの“葉村晶”も四十代だってさ。いやはや時の流れっていうやつは凄いもんだ。それにしてもこのシリーズ(?)はこんなにハードボイルドでしたっけ。ユーモアがあって毒があってしっかりした謎解きがあって、一つの作品でいろんなタイプのミステリを楽しめる、かなりお得な作品なのでした。(必読ですぞ。84点)

『サイタ×サイタ』森博嗣(講談社ノベルス)読了
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――「キレイニサイタ」「アカクサイタ」謎めいた犯行声明をマスコミに送りつける連続爆発事件の犯人、通称・チューリップ爆弾魔。その犯行が報道される中、SYアート&リサーチに持ち込まれた奇妙な素行調査。対象者−佐曾利隆夫に以前の同棲相手へのストーキング疑惑が浮上する。張込みに加わったバイトの永田絵里子は、佐曾利を尾行中、爆弾事件に遭遇する。そして第一の殺人事件が!(何故か読んじまうんだよなぁ)
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 忘れた頃に刊行される森作品。忘れたい頃に突然目の前に現れる森作品(失礼)。
 この作家は何を意図してこの作品を書いているのか、と考えなくてもいいことを考えてしまう作家さんって、この“森博嗣”さんだけではなかろうか。シリーズが続く限り読まざるを得ないっていうのは、ファンであることの悲劇だよなぁ、と思わざるを得ない作品(よくわからない感想です。77点)
 『ユリイカ』っていう雑誌が今月号で「森博嗣特集」を組んでいるんだよなぁ。これも読んじゃうんだろうなぁ。

 出来ればまた明日。
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明日に囁くこと

2014/11/12 07:35
 本は読んでいるのだ。読書しかしていないともいう。私には本しかないのか。本が読めるだけ幸せなのか。いろんな事を考えて、いろんな夢を描いて、いろんな涙を流して、いやまぁフィクションの世界にどっぷりと浸ってました。私は何を言ってるんでしょうかね。

『夜のピクニック』恩田陸(新潮文庫)再読
『球形の季節』恩田陸(新潮文庫)再読
『不安な童話』恩田陸(新潮文庫)再読
『禁じられた楽園』恩田陸(徳間文庫)再読
『夏の名残りの薔薇』恩田陸(文春文庫)再読
『黒と茶の幻想(上・下)』恩田陸(講談社文庫)再読
『ネバーランド』恩田陸(集英社文庫)再読
『光の帝国−常野物語−』恩田陸(集英社文庫)再読
『蒲公英草紙−常野物語−』恩田陸(集英社文庫)再読
『エンドゲーム−常野物語−』恩田陸(集英社文庫)再読
『劫尽童女』恩田陸(光文社文庫)再読
『まひるの月を追いかけて』恩田陸(文春文庫)再読
『ユージニア』恩田陸(角川文庫)再読
『月の裏側』恩田陸(幻冬舎文庫)再読


 「あのねぇ、読んだ本をまとめて載せるのはダメだと思うよ。ブログは毎日こつこつとだよ」とうちの娘に言われたというのに、またやっちまったぜ。そのうち元に戻ると思うので勘弁して下さい。

 読んだ読んだ“恩田陸”さん。ここ一カ月でこんだけ読んだ。そんでもってまだまだ続くんだぞぉ。
 とにかく一冊一冊、いろんな世界を堪能させてもらいました。やっぱり凄いよ“恩田陸”さん。そろそろ新作が読みたいとチラッと思いながら、全作読み直してやる。
 また明日。
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そんなに多くを望んでいるわけではないのだよ

2014/11/11 07:44
 先日の「デザインフェスタ」の報告くらいはしなくちゃね。
 奥さんと娘が製作した雑貨類は大変好評で、「カワイイ!」「欲しい!」「どうやって作ったの?」の声が溢れて、そりゃーもう楽しかったです。
 一方、私の作った無料配布の「しおり」はというと、3枚ほど……。その内2枚は小さな女の子二人に無理やり渡したりなんかして……。ハッハッハ、楽しかったからいいや。

 それよりも「いい加減に本の感想文をアップしなよ」だよね。このブログの充実が「しおり」の価値を高めることになるのだ。なぁーんて、もう望むところが違うところになってる感じです。
 今日もここまで。
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書を置いて長いながいお散歩

2014/11/08 17:21
 ずいぶんと休んでしまったなぁと、いろんな方面にペコペコと頭を下げ、ごめんなさいという言葉しか出てこない。
 元気です。生きてます。本はあちゃーというほど読んでます。今日からなんとか頑張って更新するようにします(もう誰も信じないか)。

 と言いながら今日は本の話は置いといて、緊急のお知らせです。
 東京はビッグサイトというところで開催されている「デザインフェスタ」という催しに、明日(11月9日)画像『まあるい角砂糖』という名前のお店で参加します。うちの奥さんと娘がデザイン・製作した雑貨を出品します。
 私はまぁただのお手伝いではあるのですが、「ペンギンブックカフェ」のしおりを作りました。無料配布です。どうかもらってやって下さい。お願いします。
 今日はここまで。
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風にも愛されて

2014/10/07 09:20
 いやぁまぁ、なんと申しましょうか、いかんなぁ、どうしようもないなぁ、まずいよなぁ。本を読むスピードとブログを更新するスピードが合わないというのでしょうか(言い訳)、ここにきて自分の作文力に自信がなくなったと言いましょうか(自虐)、誰も読んでいないブログを一生懸命がんばってもなぁ(禁句)。いつもいつもグチばっかりだ。

 いやあのね、これまで自分は「本好き」ではあるけれど「本狂い」ではない、「活字中毒」では決してない、「そんな、自分なんてたいして読んでる方じゃないっすよ」って言ってきたし思ってきたのですが、ここいらでちゃんと自分を見直そうかなぁ。私は「本だけの人」ですって。

『烏に単は似合わない』阿部智里(文春文庫)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」で、世継ぎである若宮の后選びが始まった。朝廷で激しく権力を争う大貴族四家から遣わされた四人の后候補。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれ魅力的な姫君たちが、思惑を秘め后の座を競う中、様々な事件が起こり…。史上最年少松本清張賞受賞作。(これが何故「松本清張賞」なんだろう?)
  * * * * * * * * * * * * * *
 もうすでに3作目が出ているというのに、ようやく一作目を読了。表紙の「なんだかなぁ」という脱力感満載の雰囲気からは想像できない内容に驚き。今ひとつテーマというのか創作意図というのか、そういったものが見えてこないのですが、早く続きを読んでみたいと思わせるものがあったかなぁ。(どうして「松本…」…? 78点)

『災厄』周木律(角川書店)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――高知県のとある集落で、住民全員が集団死する事件が発生。調査が開始されるが、同様の事件が付近の集落で続発、徐々にその範囲を拡大していた。厚生労働省キャリアの斯波は、政府内の対策本部で事件の原因をウイルス感染と主張するが、テロリズムだと主張する反対勢力に押し切られてしまう。本部の迷走に危機感を覚えた斯波は、原因究明のため自ら四国へと乗り込む。一方、斯波の同期で、かつて斯波に陥れられて広島の検疫事務所に左遷された宮野は、事件解決への道筋を描けないまま、被災者の救護に奔走していた。災厄に立ち向かうため因縁のふたりが再び手を取り合ったとき、浮かび上がる驚愕の真実とは―!?(こういうのも書くんだと驚いた。)
  * * * * * * * * * * * * * *
 何故か読んじゃうんだなぁ、この作家さん。講談社ノベルスの「堂シリーズ」(こんなシリーズ名だったんだ!)の方は正直、もういいかなぁと思ってはいるのですが、どうにも気になる人ではあります。
 では、このシリーズ外の作品はどうだったか? あのねぇ、あまりにも普通すぎて逆に新鮮だった…(本当にすみません)。物語の中の唯一のビックリはさすがに秀逸ではあると思うものの、その周りのすべてが古すぎなのではないかと…(本当に言い過ぎです)。この作家さんならではの何かが欲しかったなぁ。(それが何かはわからないが。74点)

『ぼくの嘘』藤野恵美(講談社)読了
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――親友の恋人に密かに恋心を抱いている地味な眼鏡男子の笹川勇太は、クラスの女王的存在の結城あおいに致命的な弱みを握られてしまい、彼女の頼みを聞くはめに。パソコン部で趣味はゲームとアニメという本気系オタク男子と、バイトでモデルもするような世慣れた美少女、同じクラスにいても会話したこともなく、決して交わることのなかった二人が、ある目的遂行のために行動をともにする。立場や視点は真逆でも“世の中の複雑さ”をよく知っているという共通点からか二人の相性は意外と悪くなく…? リアルすぎるのに、ロマンティックな、新感覚の青春小説。(もうこういう青春小説は止めるべきなんだろうなぁ)
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 先日読んだ『わたしの恋人』の続きというのか後日談というのか、主人公を替えた別のお話というのか、まぁどうでもいいけど、傑作です。
 この主人公二人の設定が抜群にうまい。古典的な恋愛小説という言い方があるのでしょうが、いつもどこでもどうなっても恋愛とか青春とかっていうもんは、たいして変わらないもんなんだよ、っていうことがよくわかるお話(私は何を言ってるんでしょうか)。
 ラストの場面は、もうおじさん最終章を迎えた私にとっては微笑ましくニヤリとしたところだったのでした。(なに熱くなってんだろう。78点)

『敗者たちの季節』あさのあつこ(角川書店)読了
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――甲子園初出場をかけた地区予選決勝で敗れ、海藤高校野球部の夏は終わった。だがそこへ、優勝校・東祥学園が出場を辞退したという報せが届き−。敗者のままでは終われない。読めば誰もが胸打たれる鮮烈な青春小説!
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 うまいですねぇ、さすが“あさのあつこ”さんです。これまで「シリーズを乱発だけしてちっとも結末に辿りつかない作家さん」であるとか、「うまい人って書き方がまるでオートメーション化しているみたい」であるとか、まぁ好き放題なことを言わせてもらっていたのですが、それでも読んでしまうっていうのは、実はその力量を認めているからであって……。(すみませんでした。77点)

 この作品を読んで、急遽「“あさのあつこ”さんの高校野球小説を読んでみよう」となったのでした。

『さいとう市立さいとう高校野球部』あさのあつこ(講談社)読了
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――ロシア人の血をひくイケメン高校生の山田勇作。中学校では野球部に所属していたが、訳あって今は帰宅部で自由を満喫していた。ところが四月のある放課後、どうやっても似合わないユニフォーム姿の男が現れ、勇作を野球部に勧誘する。男は美術教師にして野球部の監督、鈴ちゃんこと鈴木先生だった。幼馴染にも食い下がられ、お試し入部をした勇作は、独創的な練習方法に驚きの連続だったが、いつしかチームに愛着を感じはじめ−。
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『さいとう市立さいとう高校野球部−甲子園でエースしちゃいました−』あさのあつこ(講談社)読了
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――山田勇作は高校二年生。家族そろって大の温泉好きだ。通学するさいとう市立さいとう高校では野球部に所属し、エースピッチャーとして幼馴染の一良とバッテリーを組んでいる。一年生のとき、夏の甲子園大会地区予選では、交通事故で意識不明になった監督の鈴ちゃん不在のなか、準決勝まで勝ち進んだ。そして今年、意識を取り戻した鈴ちゃんとともに思い新たに活動してきた野球部は、みごと甲子園大会への出場を決めるが!?
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 こんなにうまくいくわけないじゃないか、と読んでいる間中プンプンと呟いていたのですが、これがなかなか面白い。脱線しまくりの文章は2冊を一気に読むにはいささか苦しいものがあったのですが、途中から癖になる。手を変え品を変え、それでも王道の高校野球小説をこうまで面白くしてしまう“あさのあつこ”さんに脱帽だったのでした。(2冊一緒で78点)

(今日の決意)
 がんばって更新します。(何回目?)
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笑いかけてくれた天使

2014/09/17 22:45
 電車の中で本を読んでいた私の隣に座ったのは、小さな赤ちゃんを抱っこしたお母さんでした。元気のいい赤ちゃんは、難しそうな顔をして本を読んでいるおじさんが気になるのか、うーうーあーあーと言いながら盛んに手と足を伸ばしてくる。お母さんはすみませんすみませんと私に謝っている。私の腕にふれた小さな手は柔らかかったなぁ。私の脇腹をバンバンと蹴った足の力は強かったなぁ。
 本当は読んでいた本に感動して、もう少しで泣きそうになっていたんだ。一生懸命に涙をこらえていたんだ。でも無理やり頬を緩めて振り向いたんだ。そうしたらさ、まるで天使のような笑顔でキャッキャッって。
 前に言ったことあったでしょ。赤ちゃんには認められているんだ、おいらって。
 その時読んでいた本は次の一冊。

『花咲家の人々』村山早紀(徳間文庫)再読
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――風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜。能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子。魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。
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 新作を読む前に一作目を再読しておかなきゃ。ということで電車の中で読み始めたのですが、いやぁーまいった。読み進めていくうちに、風早の街の一員になり、千草苑の関係者になり、花咲家の親戚になり家族になり、どんどん話に入り込んでいってしまった。隣の赤ちゃんに懷かれていなかったら、電車の中でボロボロと泣いていたぞ、きっと。
 簡単に「いいお話でした」で終わる物語ではないんだぞ。「みんないい人ばかり」で済むお話ではないんだぞ。みんなみんなどこかに持っているのに気付いていない「何か」を知らせてくれる小説なんだ(ちょっと熱くなってます)。

『花咲家の休日』村山早紀(徳間文庫)読了
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――勤め先の植物園がお休みの朝、花咲家のお父さん草太郎は少年時代を思い起こしていた。自分には植物の声が聞こえる。その「秘密」を抱え「普通」の友人たちとは距離をおいてきた日々。なのにその不思議な転校生には心を開いた…。月夜に少女の姿の死神を見た次女のりら子、日本狼を探そうとする末っ子の桂、見事な琉球朝顔を咲かせる家を訪う祖父木太郎。家族それぞれの休日が永遠に心に芽吹く。
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 風早の街って、誰もが心の中で想う街なんだろうな。花咲家の人々って、君やあなたやあの人やその人や私やボクのことなんだろうな。そう思いたい。
 不思議だね、このシリーズを読んでいると、毎日何気なく見ている道端の草花や街路樹を立ち止まって見つめてしまう。いつもの風や自分の影や季節の香りに意味を探してしまう。そんな不思議な力のある小説なのです。
 まいったなぁと思ったのは、「朝顔屋敷」かなぁ。木太郎さんの寂しさと悲しさと優しさと暖かさと強さ。いろいろなこと思い出して考えて、悲しくてうれしくて泣きたくなった。

(今日のふれあい)
 赤ちゃんと握手してしまった。
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泣く九月

2014/09/16 18:22
 こんな歳になると(こんな性格の人間になると)、10年前も20年前も30年前も、考えていることもやっていることも今とたいして変わってないよなぁと、ため息とともに思ったりする。簡単に言うとちっとも成長してないってことなんだけど、問題は回りはそうは見てくれないってことなんだよなぁ。皺と白髪が増えたとともに、人間としても少しは大人になったんじゃないの、なぁーんてさ、思ってないか。まぁどうでもいいけどさ(なぁーにを言ってるんだか)。

『未必のマクベス』早瀬耕(早川書房)読了
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――IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられる−。「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。やがて香港法人の代表取締役として出向を命じられた優一だったが、そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。異色の犯罪小説にして恋愛小説。(待ってましたと言ったら嘘になるよなぁ)
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 この紹介文には続きがあって、「伝説のデビュー作『グリフォンズ・ガーデン』から22年−。運命と犯罪と恋についての長篇第2作」とある。

 書店で作者の名前を見て、自分の目を疑ってしまったよ。この作者のデビュー作『グリフォンズ・ガーデン』は、私の生涯の中で10本の指に数えられる作品なのですよ(ちと大げさかな)。その作家の22年ぶりの第2作とはねぇ、いやぁー驚いた。

 今回の作品の内容をどう言ったらいいのかなぁ。ミステリ? 経済小説? サスペンス? 恋愛小説? ゴシック・ロマンス? 謀略小説? もうそれらを一緒くたにした物語としか言いようがない。面白いです。今のところ今年一番と言ってもいいかも知れない。
 『グリフォンズ・ガーデン』とは全く違う小説世界ではあるのだが、この作家さん、この22年間いったいどういう生き方をしてきたのかなぁ。もしかして今回の作品のような社会の中にいたのかなぁ、なんて心配してしまうほど真に迫った物語でした。
 書名にあるように、シェークスピアの『マクベス』に則って物語は展開するのだが、それを凌ぐほどの残酷さと無常さと人間臭さが繰り広げられる。その内容の壮絶さを主人公のどこかすっとぼけた言動が、辛うじてこれがフィクションであるということを知らせてくれるのだけれど。分厚い一冊でも一気読みの面白さでした。(ヘタな感想で申し訳ない。90点)

(今日の追記)
 デビュー作の『グリフォンズ・ガーデン』は是非とも読んで欲しいんだけど、絶版なんだよねぇ。復刊してくれないかなぁ。
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地平への目線

2014/09/15 19:13
 昨日まで裏の神社はピーヒャララ。季節は十分に秋なのである。暑くても寒くても晴れても曇りでも雨でも幸福でも不幸でも一人でも大勢でも、季節はいつも通りピーヒャララと過ぎていく。

『木霊草霊』伊藤比呂美(岩波書店)読了
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――日米の自然観の違い、植物をめぐる文化との関わり…。アメリカと日本で生活する著者が、生々流転する植物を前に、生命の在り方を柔らかな感性で問う。
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 ものすごい人気だったんだから、詩人“伊藤比呂美”さんは。私にとっては憧れの人だったかなぁ。
 この本、よく行く書店で棚一面に陳列されていて、その迫力がすごいのなんのって、思わず手に取ったのでした。これを「本霊」というのかな。
 とにかく「自然」な文章、内容、言葉、風景、生き方。別世界にいるかのような読書体験だったのでした。(感想が難しいのだよ。81点)

『遠野物語remix』京極夏彦・柳田國男(角川ソフィア文庫)読了
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――遠野の郷に、いにしえより伝えられし怪異の数々。民俗学の父・柳田國男が著した「遠野物語」を、京極夏彦が深く読み解き、新たに結んだ、いまだかつてない新釈“遠野物語”。原典「遠野物語」も併載。
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 京極さんが積極的に取り上げてくれるお陰で、今年は間違いなく「柳田國男の遠野物語」を読み直そうという年になりそうだ。
 実を言うと私、高校の時に「郷土研究部」というところに1年間だけ在籍していたことがあり、『遠野物語』を読んでいるんだなぁ。なんていっても遠野は私の生れ故郷の近くであり、「郷土研究部」の時は地元のお年寄りに昔話を聞いて回ったりしていたのですよ(意外でしょ)。
 まだまだ他にも類似書が出ているようで、まんまと出版社の策略に乗っかってやろうかなと思っています。(うーむ、78点かな)

『わたしの恋人』藤野恵美(角川文庫)読了
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――彼女いない歴=年齢の高校1年生・龍樹は、森せつなに告白。せつなは「本物のわたしを知ったら彼は幻滅するかも」と不安になるが、2人はつきあい始める。のびのびと育った龍樹に触れ、頑ななせつなの心は次第にやわらいで…。
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 なぜか時々、こういう小説を読みたくなるんだよなぁ。笑ってもらって結構です。正直に言っちゃうと、こういう剛速球の直球のようなせつな系の恋愛小説が大好きなのですよ。悪いことですか? 次にこの作品の続編のような『ぼくの嘘』という本が待機しています。少年・少女の恋愛小説にしばらく溺れてやります。(まずいかなぁ。78点)

(今日の忠告)
 ちょっとずつ更新すればいいのに。
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自分への殺意

2014/09/14 14:17
 9月に入って突然“恩田陸”さんが読みたくなった。理由はない。8月は“宮部みゆき”さんだった。時々こういうことが私には起こる。そんでもって旧作の乱読が始まると、その作家の新作が、特に大作が出版となる。ということは今月は恩田さんの新作が出るっていうことなのかなぁ。なんの取り柄もない私の特技と小さな声で言っておこうっと。

『六番目の小夜子』恩田陸(新潮文庫)再読
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――津村沙世子−とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
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 どうしても言っておきたいのだが、わたくしこの作品、1992年7月発行の新潮文庫/ファンタジーノベル・シリーズっていうよくわからない不思議なシリーズの一冊として読みました。この文庫シリーズはよくよく調べてみたら、わずか2年で13冊の発行という短命に終わったみたい。つまりは「売れなかった」のだなぁ。紹介文で言われている「伝説」というのは、恩田さんはデビュー作ではあまり評判にならなかったっていうことなのだなぁ(多分)。そんな作品を、私はしっかりと見出していたのでした。という自慢でした。

 久し振りに読み直したのですが、なかなかに怖いお話ですねぇ。読み終えて、それなりの決着に満足しているのですが、なんかねぇ腑に落ちない。まだ解決していないのではないかという思いがだんだんと強くなってくる。前を歩く見知らぬ人が突然振り向いて「まだ終わってないよ」と言いそうな気がしてしょうがない。いやはや。デビュー作からしっかり“恩田陸”さんだったんだなぁと気付かされたのでした。

『ブラザー・サン シスター・ムーン』恩田陸(河出文庫)再読
  * * * * * * * * * * * * * *
――ねえ、覚えてる? 空から蛇が落ちてきたあの日のことを−。本と音楽と映画、それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが過ごした大学時代を描く、青春小説の新たなスタンダードナンバー! 本編に加え、三人の出会いを描いた単行本未収録作「糾える縄のごとく」、さらに文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を収録。
  * * * * * * * * * * * * * *
 あれっ、こんなお話だっけ、と意外にも新鮮な気持ちで読み直すことができました(完全に内容を忘れていたってことなんだけどね)。
 恩田さんの「素」が出ている作品のような気がする。大好きな本の話、映画の話、音楽の話が何気なく物語の中で語られ、意外な謎や事件が起きているわけではないのに、怪しげで不可思議な雰囲気十分のお話になっている。こういう感じ、この作家さんの得意技でもあるんだよなぁ。さすがです。

『蛇行する川のほとり』恩田陸(中公文庫)再読
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――演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。
  * * * * * * * * * * * * * *
 これって、初めは3カ月連続で新書の形で出版されたんだよね。それから一冊にまとまって単行本で出て、今回の中公文庫になって今は集英社文庫かぁ。如何なる事情があってこうなったのかなぁ。こういう変なところが気になるのです。

 最初に新書で出た時に読んだのですが、毎月ハラハラドキドキというか、早く次が読みたいよぉと思っていると語り手が変わって話が続くという、読者の心を完全に掴んで離さないぞっていう感じの物語でした。
 それにしても、こういう女子高生とかを書かせるとうまい作家さんだよねぇ。危うさであるとか妖しさであるとか、不安定であるとかあやふやなとでもいうのか、漠然とした美しさと不気味さの合わさったお話だったのでした。傑作。

(今後の予定)
 まだまだ続く「“恩田陸”さん集中読書月間」なのです。
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眠りの森の落し物

2014/09/12 23:52
 そろそろ年末の「今年のベスト本」とかいう、つまらないお祭りのための本がソロリソロリと出始めたのかなと思わずにはいられない今日この頃。もうそんなものには惑わされないもんねぇと強がってはいるものの、本屋さんの新刊コーナーにどうしても目がいってしまうのです。
 でもですねぇ、前にも言ったかもしれませんが、わたしく最近の小説界(こんなものがあるかどうかはわかりませんが)には絶望しているのです。経済界、警察内部、医療問題、政治問題等々、なんかさぁ、題材に夢っちゃうもんがなさすぎませんかねぇ。
 グチを言いだすと長くなるので止めますが、自分の専門分野の中での想像力ってさ、得意そうに言ってる割に面白くないからね(これじゃ何言ってるのかわかんないよねぇ)。

『花や咲く咲く』あさのあつこ(実業之日本社)読了
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――昭和十八年、初夏。女学校三年生の三芙美は、思いがけず手に入った布でブラウスを縫い始める。女学校のマドンナ・和美、韋駄天の詠子、あくびが似合う則子。美しい布に触れ、笑い合う四人にも、戦争の暗い影が忍び寄っていた−。著者がはじめて、太平洋戦争を舞台に描いた、感動の“戦時下”青春小説。
  * * * * * * * * * * * * * *
 へぇー、はじめての戦争物なんですねぇ。うまくてさすがな作家さんだよねぇ。
 ただですね、“あさのあつこ”さんでなければ書けなかった小説っていう気がしなかった(すみません)。なにもかもが無難に終わってしまっているのです。歴史の真実という枠を意識しすぎてしまったのかなぁ。うーむ、残念。(泣けるんだけどね。75点)

『今日の放課後、短歌部へ!』千葉聡(角川書店)読了
  * * * * * * * * * * * * * *
――注目の歌人にして高校の先生である「ちばさと」が、生徒と共に躍動する日々を描いた熱血青春短歌エッセイ集。感動と笑いと涙の日々、念願の短歌部は果たして−。巻末には穂村弘氏、東直子氏との特別座談会を収録。
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 いやぁー面白い。フィクションのようでノンフィクションのようで学校小説のようで青春小説のようでユーモア小説のようでエッセイのようで教育論のようで、そしてそしてしっかりと「千葉聡個人歌集」となっているという、世にも珍しい形の一冊。あぁこういう本って「あり」なんだなぁと、本当に感心したのです。短歌に興味がない人でも、ぜーったい面白いです。(感想になってるかなぁ。80点)

『許されざるもの』樋口明雄(光文社)読了
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――絶滅したオオカミを外国から移入し健全な生態系を取り戻す試験放獣プロジェクトが始まった。反対派や地元民の説得、中国奥地のオオカミ探索決死行など、環境省・野生鳥獣保全管理官の七倉は幾多の困難に立ち向かう。
  * * * * * * * * * * * * * *
 突然こういう本も読みます。いろいろなジャンルの本を書く作家さんなのですが、どのジャンルでも手を抜くことなく、もう何を読んでも面白いという、稀有な作家さんと言ってもいいのではないかと、私は勝手に思っております。
 『約束の地』以来の「環境省・野生鳥獣保全管理官」シリーズになるのかな。もともとオオカミについてはいろいろと書かれていた作家さんですが、真正面から取り上げた作品となっています。その他のお話の部分と十分にマッチしていないかなぁという気はするものの、最後まで読ませる力強さはさすがです。ちょっと日本オオカミについて調べてみようかなぁ、なぁーんて思ったりして。(そんなに軽いテーマではないぞ。77点)

(今日の反省)
 サボっていた時間が長かっただけ。
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雨の日は傘があるから

2014/09/11 19:04
 傘も用をなさないような雨が降っています。いろいろなところで被害が出ているようで、こんな安全なところでしょうもないことを呟いていていいのか、なんてことを考えてしまう。目の前の水たまりをひょいと避けて通って「よかった」って安心して笑ってちゃダメなんだよなぁ。いろいろな面でさ。

『うたうひと』小路幸也(祥伝社文庫)再読
  * * * * * * * * * * * * * *
――「百獣の王じゃないか。光栄だ」人気バンドのドラマー、崎谷貫太はその風貌から“笑うライオン”と呼ばれている。ある日人づてに、母親が倒れたことを知った貫太は、十年ぶりに勘当された実家を訪れることに。母親に嫌われていると思っていた貫太だったが、実家で驚くべき光景を目にする(「笑うライオン」)。誰もが持つその人だけの歌を、温かく紡いだ傑作小説集。
  * * * * * * * * * * * * * *
 小路さんの新作を読み終えると、何故かもっともっと「小路ワールド」に浸っていたいと思えてきて、旧作を引っ張り出してきては読み直すという繰り返しなのです。ほとんど中毒といってもいい症状です。

 唐突なのですが、小路さんって「時間」の使い方のうまい人ですね。この作品集を読んで読み違えかもしれないけれど、そんなことを思いました。お話の中の時間の流し方が独特なんですよね。過去を語りながら突然今に到ったり、登場人物それぞれに流れる時間が離れたりくっついたり交差したり。いい話なんだなぁ、全て。まいっちゃったなぁ、今回も。

『つむじダブル』小路幸也・宮下奈都(ポプラ社)再読
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――本邦初!? 人気作家二人がつむぐ話題の合作! 小路幸也が兄の視点、宮下奈都が妹の視点で描く、家族の「ひみつ」の物語。小学生のまどかと高校生の由一は、年の離れた仲のよい兄妹。ふたりとも、つむじがふたつあり、お母さんは「つむじダブルは幸運の証」と子どもたちに話している。ある日、まどかがひとりで留守番をしていると、ひとりの女性から電話がかかってきた。お母さんは知らないひとだと言うのだけど、なんとなく様子がおかしくて−。兄妹それぞれの想いが胸に響く、やさしい家族の物語。
  * * * * * * * * * * * * * *
 一部で問題作と囁かれた作品の再読(あくまでも一部で)。
 再読して思ったのですが、これって、なかなかに考え抜かれた作品ではないかと…。惜しむらくは、合作という形を取っていながら、片方の作家の世界観に片寄りすぎたお話になってしまったかなぁということ。もう少し二人の個性のぶつかり合いみたいなものが見たかった。なぁーんてね、「つむじダブル」のペンギン店長のつまらない呟きでした。

『エンドロール』鏑木蓮(ハヤカワ文庫JA)読了
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――映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、笑顔をたやさない行商の女性だった。門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。偶然の縁がもたらした温かな奇跡。
  * * * * * * * * * * * * * *
 ずっと気になっていて、読みたい読みたいと思っていたのですが、今さらの読書となってしまった。結構好きな作家さんなのに、誰かに「どういう作風の作家さん」と聞かれるとうまく答えられない作家さんなんだよなぁ。
 「いいお話です」と簡単に言ってはいけないとは思うものの、テーマの割に少々安易な作りが気になってしまう。遺品のフィルムを見つける過程も、一人の老人の人生を辿る旅の話も、偶然の重なりだし掘り下げ方が中途半端だし、すべてが予定調和でしかないような気がするのです。もっともっと深く苦しく重いテーマだと思うのですよ。違う書き方があったんじゃないかなぁ。(もったいない。77点)

『想い出あずかります』吉野万理子(新潮文庫)読了
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――子供たちしか知らない秘密。岬の崖の下に石造りの家があって、魔法使いが「おもいで質屋」を営んでいた。想い出を担保にお金を貸してくれるという。でも二十歳までに取り戻さないと想い出は返ってこない。中学生の里華は、魔法使いと出会ってすっかり仲良しになり、共に青春の季節を駆け抜けてゆく。やがて二十歳を迎えた時…。きらきらと胸を打つ、あの頃が蘇る魔法のストーリー。
  * * * * * * * * * * * * * *
 時々こういう物語を読みたくなるんですよねぇ。

 これって、きっと本当の話なんだと思う。こういう「おもいで質屋」は本当にあったんだと思う。大人って忘れるから。子供だった時の楽しいおもいでや悲しいおもいで、大事なことや大切にしていたこと、傷ついたことやみんなと笑いあったこと、そんなことすべて忘れてしまうから。そんなお話でした。(熱くなってしまった。79点)

(夢中になっていること)
 今月は「“恩田陸”さんを読み直す月間」実施中。
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